ポリープ切除について
当院では、大腸カメラによる内視鏡検査とともに、ポリープの切除も日帰り手術によって行っています。胃や大腸にあるポリープは、基本的には良性のものが多いのですが、がんに進行するリスクもあり、特に大腸ポリープの場合は、切除しておくことが望ましいと考えられています。
胃ポリープについて
過形化成ポリープと胃底腺ポリープが代表的なもので、前者はヘリコバクターピロリ菌感染の胃にみられ、後者は非感染の胃にみられることがあるものです。いずれも悪性化することはまれで、定期的な経過観察となります。
胃ポリープの種類
- 胃底腺ポリープ
- 胃酸などを分泌する胃粘膜にある腺にできるポリープです。多発することが多く、自然に消滅する場合もあります。経過観察となります。
- 胃過形成性ポリープ
- がんに変化することは少ないです。大きいものや出血がみられる場合は切除が検討されます。
- 腺腫性ポリープ
- 将来的にがんになる可能性のあるポリープで、経過観察もしくは切除となります。
大腸ポリープについて
大きく腺腫性ポリープと非腺腫性ポリープに分けられます。腺腫性ポリープは大きくなると癌化することがあり、切除の対象となります。非腺腫性ポリープも場合により切除の対象となります。
大腸ポリープの種類
- 腫瘍性ポリープ
- 良性腫瘍と悪性腫瘍に分かれ、良性腫瘍の多くは腺腫と呼ばれているものです。腺種は悪性化する場合があります。大きいほどがん化するリスクが大きく、6mm以上が目安とされていますが、5mm以下であっても形がいびつなどの場合は切除の対象となります。
- 炎症性ポリープ(非腫瘍性ポリープ)
- 炎症が原因で発生するものです。
- 過形成性ポリープ(非腫瘍性ポリープ)
- がん化する心配はほとんどありません。
- 過誤腫性ポリープ(非腫瘍性ポリープ)
- 若年性ポリープとも言われ、子供や若い世代の直腸やS状結腸にできることが多い良性のものです。
ポリープ切除方法について
当院では、大腸ポリープの内視鏡による日帰り手術を、コールドポリペクトミーで行っています。さらに大きいポリープの場合は、でEMR(内視鏡的粘膜切除術)とESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という手術になる場合もありますが、こちらは入院が必要となるため、提携する病院にご紹介いたします。
コールドポリペクトミー
大腸カメラを通し、ポリープの性状を観察しつつ、スネアというワイヤーの輪をポリープにひっかけ、切除するため、出血や穿孔の偶発症が少ない切除方法です。
比較的小さなポリープが対象となりますが、一度に複数のポリープを安全に取ることができます。
また、心臓ペースメーカーや金属製ステントを留置している方、抗血栓薬を内服されている方でも可能な切除方法です。
切除後について
コールドポリペクトミーとポリープの切除は日帰り手術として行われますが、ポリープ切除後は、出血や穿孔等の合併症が発生する可能性もゼロではありませんので、術後一定時間はクリニック内で休養していただき、その後1週間も注意して生活し、安静にするようにしてください。
- 切除後1週間は激しい運動をしたり、重いものを持ったりすることは避けてください。
- 切除後2~3日は、排便の際、いきまず自然に排便するように心がけてください。
- 切除した当日は入浴せず、1週間はシャワー程度にしましょう。
※食事は、3日間ほどは柔らかく、繊維質のものは採らないようにしましょう。また下痢を起こしてしまうと腸内の圧力が上がり、出血の危険性が高まりますので、刺激物や冷たい飲み物、アルコールは避けてください。